外传
#2906
秋も深まり、もうじき冬が始まろうとする頃。 ここ私立神沢学園では、三週間後の学園祭に向けて早くも生徒たちの暴走が始まっていた。既に寝泊りを始めた者、校舎を改造しようとする者、賭博場を開こうとする者――。 彼らの暴走を抑えつつ(蹴散らしつつ)、クラスの出し物、さらには生徒会としての出し物までも成立させようとすることで、神沢学園生徒会の面々は疲弊の局地に達していた。 そんな折、八咫鴉の屋敷にあった銅鏡から奇妙な義手をつけた男が現れる。 彼の名はアルフレッド・アロースミス。とある妖(あやかし)から与えられた目的を遂げるため、彼はこの異世界に辿り着いたのだが――。 全てが終わり、平穏を取り戻したオセロットシティ。 フォルテンマイヤー家の屋敷で不可解な現象が起きる。古い骨董品の鏡から、一人の少女が飛び出してきたというのだ。 幼い少女はフォルテンマイヤー家に引き取られ、コゼットがその世話を引き受ける。 一方、その少女を追って一人の男がゴルトロックに降り立つ。 かつて少女に人生を奪われた男の名は九鬼耀鋼といった。 ――これは復讐ではなく、義務だ。 彼はそう言いつつ、単身フォルテンマイヤー家の屋敷に乗り込むが……。 ――空は分厚く、禍々しい雲に覆われている―― そこは夜から始まり、夜に終わる世界。 そこは十二時間で終わる世界。 そこは先ほど歩いていたはずの道が、気紛れに違う場所へ繋がってしまう世界。 そして。 何が起こっても、何事もなく繰り返される日々。 混沌都市――そこは幻想世界(ゴルトロック)の住人たちと、神沢市の人妖たちが殺し合う世界。 ――さてさて、それでは皆で助け合い、憎しみ合い、愛し合い、心行くまで殺し合おう! そして、全てを哂う少女が一人。 繰り返しに気付いた如月双七とリック・アロースミスは絶望的な状況下をどうにかして打破しようとするが――。
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