不同版本
#3715
八月── うだるような暑さが続く夏休みのある日、主人公【草薙 枢】は故郷の旅館を手伝うために東京をあとにした。 東京で暑さにうなされるよりも、東北の田舎町の方が涼しいと思った枢は、暇をしていた妹【一葉(かずは)】を連れて、新幹線に乗り込んだのだ。 向かう故郷は東北の山奥にあり、小学校低学年まで過ごした思い出の場所である。 ところが着いてみると駅周辺は開発が進み、大きな学園都市ができていた。そこには枢の思い出に残る景色はなく、整備された町が広がっていたのである。 それでもバスに乗り込んで旅館に向かうと、町を離れるにつれて懐かしい景色が広がっていく。 やがて見覚えのあるバス停で降りると、そこにはかつて自分が生まれ育った旅館が、その当時の姿のままでたたずんでいるのだった。 ところが旅館で枢を待っていたのは、駅前の学園の女の子たちだった。 学園の寮が突如使えなくなり、夏休みも寮を利用する生徒たちがこの旅館に入ることになったというのである。 そして枢は彼女たちの面倒をみるために、呼ばれたのである。 幸先不安なスタート。 しかも枢にはもう一つ不安があった。 この旅館にはイタズラ好きの座敷童子が住み着いているのだ。 「こりゃ貧乏くじを引いたか?」 自由奔放な彼女たちに悪戦苦闘する枢の夏休みが始まるのだった。
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