外传
#2944
麟特学園2年生・稲葉徹は、この期に及んでまだ悩んでいた。 学園と寮の境目なく、異性に対する明らかな好意を持って徹の世話を焼く担任教師兼寮母の桜菜々子。 クラス委員や美術部副部長といった職権をためらいなく徹との密会に利用する、クラスメイトの桐島さくら。 そんな二人の “さくら” と彼の三角関係に巻き込まれてきた周囲の我慢も、限界に達しようとしていた。 今日明日にでも決断をしなくてはならないところまで追い詰められた徹へ差し伸べられた最後の執行猶予は、余命幾許を自称する、少女の願い。 「その日結ばれた男女は永遠の愛を約束される、麟徳学園文化祭の伝説。 もし、最後の時間に間に合うのなら、私も好きな人に、告白したいな……コホッ、コホッ」 麟徳学園文化祭は、文化部と運動部の対立など様々な事情によって、毎年企画はされるものの、開催まで漕ぎつけることはない幻の文化祭となっていた。 いかがわしい少女の願いを叶えるために、あわよくば自分も伝説の恩恵を授かるために、 稲葉徹は、文化祭実現と文化祭当日までに “どちらか一人を選ぶ” 決意をする。 春は、桜色の季節が終わりかけた頃。 お人好しかつ不純な男を好きになってしまった二人の “さくら” の、 愉快で悩める三角関係は、まだまだ続く。
相同世界观
#4737
もう、恋に落ちていた―― 学生最後の夏、吉岡正志は大企業・吉岡建設の若き経営者である義姉・樹里の仕事の都合により転校が決まる。 転校先は、線路が行き着く小さな町・櫓名(やぐらな)。 そこで正志は、この土地を守る小さな地主・櫓名いろは と出会い、同じ学園へと通い始める。 だが、吉岡建設の目的は櫓名の土地開発であり、正志は吉岡建設の跡取りであった。
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