前传
#5392
少年が当たり前だと思っていた毎日は、唐突に壊された。 村を襲撃した流浪の盗賊団によって、家族は皆殺し。 母と姉にいたっては、死の前に盗賊の頭領により慰み者とされた。 そして少年は、ただ1人生き残った。 ――盗賊団の奴隷として。 血の滲むほどに拳を握りながら、内心で己に問い掛ける。 「これから、どうする?」 全てを、奪われた。 自ら死を選ぶのか。 それとも―― 大事なものを奪い、蹂躙した者たちを許してはおけなかった。 自分がどうなってもいい。 ただ仇を討つことを思った。 そのためには力が欲しい。 今の自分では幼すぎることを少年は理解していた。 だから、心の中で刃を研ぐ。 いつか来る日に備え、この殺意が錆びついてしまわぬよう。 どんな手段を使っても、こいつらを――
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