主线故事

#475
1年中“枯れない桜”が咲き誇る初音島。 そんな不思議な桜を研究する人間がいるかたわら、一般の方々はいたって平凡な生活を送っていた。 桜が枯れないのが珍しくたって生活は変わらないのだ。 そんな平凡な世界の中心に位置する風見学園に、なにもないところから和菓子を生み出す力と、他人の夢を見せられる力……。 平凡とは程遠く、非凡にもほど遠い、2つのメルヘンな力を使う少年がいた。 和菓子をこよなく愛する学園のアイドル、 口うるさいくせに甘えん坊の妹、 ぼけぼけ天然色の先輩に、 夢の中に姿をあらわす騒々しい幼馴染、 天然元気で“わんこ”と呼ばれる後輩。 彼と彼女らが卒業間近の“学園”で出会うとき、ちょっとこそばゆいくらいが丁度よい、恋物語のはじまりはじまり。

#477
深々と桜が舞っていた。 一年中絶えることなく、 その島では薄桃色の桜の花が咲き誇っていた。 ――季節は冬。 地面にはうっすらと霜が降り、空からは純白の結晶が舞い落ちる。 吐き出す息も白く色づき、布団から抜け出すのが憂鬱になる季節。 だと言うのに、 「相変わらず、季節感のない景色だよな」 通学路の桜並木を歩きながら、少年――義之はそう呟いた。 「まぁ、それが初音島名物『枯れない桜』だしね」 「や、今更そんなことをしみじみ言われても」 少し前を歩くふたりの少女が振り返る。 ひとりは楽しそうに笑顔で、 もうひとりは少しかったるそうに。 それも見慣れた景色。 少年は春のように咲き誇る桜の木々を見上げて、白い息を吐き出した。 間近に迫るクリスマスパーティー。 そして、年が明けたら付属最後の学園生活がはじまる。 出会いと別れ。喜びと悲しみ。 そこにどんな日常が待っているのかはわからない。 でも――、 何かが変わりそうな気がする。 ゆらり、ゆらりと舞い落ちる桜の花びらを眺めながら、 ――少年は少し先の春を夢見た。

#3782
プレ・フラート標準歴895年、グラディオ半島フィデリトール国、王都―レオメトル―。 魔族封印大戦―シギル・ベルム―、その戦勝100年大祭のフィナーレに、唯一の王位継承権を持つ王太女の、成人披露式が執り行われようとしていた。 王国の未来を象徴する二つの祝賛に、レオメトルは誕生以来の賑わいを見せる。 自警団に身を置く少年剣士『カロ』は、祭り喧噪の中、夜盗に襲われる可憐な少女『アルシェ』を助ける。 出会いを果たした二人。 やがて、月は満ち、王太女を一目見んとする群衆の集う中央広場に向う。 蹄音も高らかに到着する王家の馬車に、永劫の繁栄を願う歓声が極まったその時、……満月を『災厄の黒竜』が覆う。 絶望の白き『冬花(トウカ)』が広場に舞い、突如現る強大な魔獣が、式典を阿鼻叫喚に叩き落とす。 馬車はまるで菓子箱のように踏み潰され、民は我先にと逃げ惑う。 立ち向かう王国兵も刃の立たぬその魔獣の眼前に、たった一人、年端も行かぬ『金色の髪の童女』が、佇むかのように取り残される。 からくも魔物の一撃から、その童女を救うカロとアルシェ。だが、圧倒的な黒き牙に、なす術もなく力尽きんとしたその刹那、童女の金色の髪が風に揺れ、小さな体は、眩く光り輝く。 白き光の中、カロに語りかける暖かき声……気がつくと少年の両手には、身の丈ほどもある『聖剣』が握られていた。 聖剣に導かれ、カロは魔物を撃退する。 しかし、正気失う混乱に、大剣を手にする少年一行は、王太女殺害の濡れ衣を着せられ、レオメトルから旅立つ。 波乱の道中、少年たちは若き5人の仲間と出会う。 時に笑い、時に争い、時に励まし……旅の仲間の絆は深まってゆく。 魔族の影、聖剣の謎、冬花の恐怖……。 長い旅路の果て、少年たち、広大なグラディオ半島に静かに広がる、凍てつきの絶望とその真実の花に、立ち向かう運命を知る……。

#5762
そこは、かつて日本であった場所、イギリス領・彩玉。その統治の中心地に位置する林海市には、真のジェントルマンとメイドを育成する林海学園があった。ジェントリーの生き方について、日夜語り合う紳士淑女。サーバントのあるべき姿に向かい、切磋琢磨し合う若人乙女。 祖父の爵位を継承する為に、真の紳士を目指す主人公・芹人。何時までも兄の傍にいる為に、メイドとなる事を目指す、芹人の義妹・桜美。家族の生計を支える為、メイドとして出世する事を夢見る、幼馴染・藤。 貴族の養女でありながら、紳士であらんとする、同級生・桂花。メイド達の良き模範として生きようとする、メイド講師・蓮奈。周囲の羨望を浴びながらも、本当の自分の価値を見出せない上級生・クララ。メイドである事の真の意味を求め続け悲劇を繰り返す、下級生・あやめ。 これは、真のジェントリーを目指す若人の、そしてメイドを目指す乙女達の運命を描く、愛の物語である。






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