前传

#5023
恋人の死を乗り越え、日々を明るく前向きに過ごしている主人公。 日課となっている恋人の墓参りに参じた主人公は、そこで奇妙なモノを見つける。 墓の周りに咲き誇る花々の中で、ただ一つだけ蕾のままである大きな花。 恋人が好きなため植えた花が、一つだけ咲いていないのは忍びないと、綺麗な花を咲かせるように、願いを込めて水をやる主人公。 翌日、同じように墓参りに参じた主人公は、さらに奇妙なモノを見つける。 蕾があった場所から、ひょっこりと……少女の首がでていたのだ。 ひぃっ! と驚きに腰を抜かす主人公に、頭に蕾をつけた首は微笑み、あろうことか主人公のことを父と呼び出したのだった。 聞くと、少女は主人公の恋人の精気を肥に誕生した魔物「アルラウネ」だという。 確かによく見ると恋人に瓜二つの容姿をしているが、なぜ父なのか分からない。 そんな主人公に、アルラウネは主人公の恋人から誕生した=主人公の娘だと超理論を展開する。 そう彼女は植物なだけに天然だったのだ。 納得できるような、できないような理論だが、魔物とはいえ父と慕ってくれることは純粋に嬉しいと思う主人公。 こうして誕生したのも何かの縁だと、主人公はアルラウネに「アルル」と名前を付け娘として育てていくことに…… 植物を育てるようなものだと、軽い気持ちで考えていた主人公だが、とんでもない。 彼女は植物のようで人間のようでもあり、そのギャップにあたふたするばかり。 それよりも大変な一番の問題は彼女の栄養。 人のような食事は当然として、それ以上に彼女は人間の精気を欲しがり、その接種を怠ると彼女は枯れて死んでしまうという。 父と慕ってくれる娘を死なせるのは忍びないと、主人公は自らの精気を送り込む。 人間の父と魔物の娘……偶然から始まった関係は親子から発展するのか……?

#5024
人間と魔物が互いに手を取り合い生きるようになって早10年。 未だ根強い反発はあるものの、人間と魔物は平和に暮らしていた。 そんな時代に大変似つかわしくない船が一隻、ゆっくりのんびりと海を進んでいた。 船首に足をかけ海を眺めている青年こそ、海の彼方にある宝物目指して時代遅れ感漂う海賊業に身を費やす主人公、アヴェス・ノース・デーンその人である。 アヴェスは、雲行きが怪しくなってきたことを察知する。準備をしないと……そう思い、急いで船倉へと足を向ける。しかし、アヴェスは足を滑らせ海へと真っ逆さま! 「せ、せんちょーー!!」 「ぶわっ、おまえら助けろっ!」 「無理です。あっしら誰一人泳げるヤツいねぇんでさぁ!」 「なっ、なにぃぃぃっっ!!?」 波に流され飲み込まれ……薄情な子分を恨みつつ、アヴェスは意識を失った。 目が覚めると、そこは見慣れぬ砂浜だった。そして自分の顔を覗き込む少女2名。 その姿を見て魔物だと知るが、紳士の嗜みとして少女たちを口説き始める。 しかし、アヴェスの口説きなど意に介さず、その格好を見て目を輝かせるスライム娘ライム。 「その姿は紛れもなく、あたしが憧れている海賊そのもの!人間!いいえ、お頭っ!あたしを立派な海の女にしてちょうだい!」 「はい?」 あれよあれよという間に決定していく事柄に、頭の処理が追いつかないアヴェス。 しかし、流れ着いた場所が『辿り着いたものは、世界で最も大切となる宝物を手に入れる』と言い伝えがある伝説の島だと知ると、急速に頭が回転していく。 「ふっ、ふふっ……その宝物、手に入れさえすれば、くくくくっ……!」 俄然やる気になるアヴェスに、パチクリするライムとラキス。 理由はどうあれ、三人の生活はこうして唐突に始まったのだった…はてさてどうなることやら…。

#5025
人と魔物が争っていた時代の最中、蜘蛛姫アラーニェは非常に退屈していた。 余計な争いから隠れるためとはいえ、人里離れた神殿でただひたすら同じ日常の繰り返し。 付き人の鳥娘ルピュアと一つ目鬼娘スィークに無茶難題を吹っかけてみても、まるで心が満たされることがない。 「えぇい退屈じゃ退屈じゃ! 妾にもっと面白いことをもってこんか!」 「そうは言いましても姫様……このような地で面白いことなど、とてもとても」 「……戦争が終わるまでジッとしてるの。それが一番なの」 付き人二人の説得も虚しく、アラーニェは今にも暴発してしまいそう。 そんなアラーニェの脳裏に電流が走る。 「そうじゃ、召喚じゃ! 妾の力を持ってすれば、異界の扉を開くことなど造作もない!」 「ちょ、姫様! やめましょうよ。きっと碌でもないことになりますってば!」 「姫の閃きは厄介ごとしか持ち込まないの。勘弁して欲しいの」 止めに入る付き人二人だが、アラーニェは聞く耳もたず、異界の扉を開き召喚を強行する。 さて、何が現れるのか……期待に胸を弾ませるアラーニェ、不安に押し潰されそうなルピュア、呆れてものも言えないスィーク。 「ってぇ……何だよ一体、いきなり爆発とか……って、なんじゃこりゃぁっ!?」 現れたのはヒビキという人間の男性。 突然の出来事に目をパチクリさせるヒビキを余所に、アラーニェは非常に楽しそう。 この出逢いが何をもたらすのか、三者三様の思いを抱きながら、四人の共同生活が…… 「ふざけんな! 帰せよ!」 「無理じゃ。召喚は一方通行、これは常識じゃぞ常識」 「そんなバカな話があってたまるかーーー!!」 四人の共同生活が始まったのだった。 はてさて、どうなることやら。

#3391
かつて人魔が手を取り合い、共存する時代があった。 共に喜び、怒り、悲しみ、笑い合った平和な時代。 しかし、それも遙か昔の話。 今は互いの覇権を賭け、争い合う地獄が広がっていた。 青年もまた英雄として祭り上げられ、戦場へと赴き、数多くの魔物と相見え、そして殺してきた。 言われるがままに魔物と戦い、殺し…… いつしか青年は、それに疑問を覚え始めたのだ。 本当に自分のしていることが正しいのか、これが平和に続く道なのか……と。 疑問を覚えた青年が戦えるはずもなく……彼は逃げ出した。 英雄と祭り上げてくる民衆から。 血と悲鳴が飛び交う戦場から。 そして……自分自身から。 どこまで逃げたのか、ただひたすら逃げた青年の目の前に突如、大きな館が姿を現す。 曇天の空に浮かぶ怪しげな月、枯れた木々、不気味な館。 まるで青年の心を映すかのような光景に、青年の足は止まる。 困惑する青年の前で館の扉が開き、一人の女性が姿を現す。 見慣れた姿の女性。彼が殺してきた魔物。 それを知ってか知らずか、女性は青年を値踏みするように見つめると、小さく微笑み口を開く。 ――彗星館へようこそ人間 ここは弱き者の楽園 全てを忘れ 死にゆく時まで ゆるりと過ごしなさい―― 妖艶な女性の言葉に誘われるかのように、青年は扉をくぐる。 その館は、青年に何をもたらすのだろうか……







Search for a command to run...