前传
#2503
小田桐統果(おだぎり とうか) はごく普通の学生ではない。 紫色の光が満ちる、“真夜(しんや)” と呼ばれる特殊な空間を感じ取り、干渉できる能力を持っていた。 ある日 “真夜” の中で、統果は不思議な女性と出会う。 彼女の名は天津刻乃(あまつ ときの)。 統果と同じように、彼女もまた “真夜” に干渉する能力を持っていた。 そしてまたある日、統果の前に空から女性が降り立った。 彼女の名前はミュリアル。 つかみ所のない不思議な性格をした彼女は、統果と刻乃に一人の少女を託す。 その少女の名前はコロナ。 成長すれば世界すら滅ぼす力を持つ龍人の一人。 ただ、今はまだ無邪気に笑う無垢な少女でしかない。 「この世界に様々な滅びが迫っています。コロナを正しく育てることが出来れば、滅びは回避できるかもしれません」 ミュリアルの言葉と、自分を慕うコロナの視線に、統果は避けられぬさだめを知る。 世界の滅びを止める。 その想いを胸に今、小田桐統果とコロナの “刻 とき ”が回り始めた。
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