主线故事
#1143
歴史あるBALDRシリーズの新作として、その世界観を受け継ぎ紡がれる物語。 そして、これをもってシリーズに幕を下ろします。 「現実に帰らなくちゃ」 巨大な装置の置かれた広大な部屋の中央に“彼女”は座していた。艶やかな髪は床に広がり、ときおり電気信号が走っては光を放つ。 「最終チェック完了。これより起動準備に入ります」 どこからか機械音声が響き、彼女は安堵のため息を漏らした。と、次の瞬間、けたたましく警報音が鳴り響く。 「お願い! 成功してっ!」 彼女の叫び声とともに“彼”は目を開いた。それが彼の意識のあらわれだった。 鋼の身体にオイルの血液。電磁パルスが意志を伝え手足を動かす。 「ねえ、私のことがわかる?」 問いかける声に、“彼”はアクチュエーター音を鳴らし、首をひねる。「そう……えっと、どこから教えれば――」 「は、始まっちゃった!えっと、あなたに頼みたいことがあるの!」 彼と彼女を取り巻くように出現したウイルスが迫る。すると彼は“声”を発した。 「僕は君を助けようと思う。それでいいかな」 数分の後、敵機の残骸を見下ろしながら彼は“思った”。 (彼女を守れて、良かった) 彼の目の前で、自分が助けた少女が語りかける。 「あなたはその体、戦闘用電子体プログラムを運用するために生み出された疑似知性体。 名前は、そうね……ヒュージ、不二って呼ぶわね」 「おはよう、不二。私はこの世界の元管理者、エリスよ」 そうして彼女は祝福するように、満面の笑みを浮かべた。 「ようこそ、仮想世界、”VERTEX”へ」
Search for a command to run...