相同世界观

#525
これは、妖怪達が遊女を務める異世界の遊郭『あやかし幻楼』が出来る数年前の話――。 「稗田 阿蓮」は過去に犯した過ちがきっかけで、 決して性欲が尽きることがないという呪いに掛かった。 呪いを解く術を求めて山中を彷徨っている内、阿蓮は一軒の屋敷に辿り着く。 その中に放置されていたのは、女性そっくりの形をした絡繰人形。 艶めかしいその造形に劣情を催した阿蓮は、 絡繰人形の生々しい秘部に男性器を挿入、精液を吐き出す。 「……主さま。心音を助けてくださりありがとうございます」 すると突然、絡繰人形が動き出し阿蓮に礼を述べたではないか。 心音と名乗った彼女は、人の精を動力源とする妖怪――絡繰(からくり)だと言う。 呪いを解く手がかりは心音にある。 そう直感した阿蓮は、しばらくこの無人の屋敷に滞在することにするが……。

#527
人助けが趣味な優しいさとり鬼――若彦(わかひこ)は某日、妙な噂を耳にする。 それは妖怪の暮らす世界、タソガレで人々の邪気が集まる里があるという話。 もしかすると、人の子が迷いこんでいるのかもしれない――。 様子を見に行こうと噂の里を訪れる若彦だったが、強烈な邪気にあてられ気を失ってしまう。 数刻後……見慣れぬ屋敷の中で目を覚ました若彦は、とある違和感を覚えた。 「わ、わしの身体が……女子(おなご)のようになってしもうた……!」 ――そう、若彦が侵入したのは『あやかし幻楼』。 妖怪遊女との情交を求め、男達が日々通う遊里――。 人間の煩悩によって姿形を変える若彦は、 遊郭に蓄積した邪気によって女になってしまったのだ。 「百人分の邪気を集めれば、元に戻ることが出来る――」 幻楼の楼主からそんな話を聞いた若彦は、遊女として働くことを決意する。 男の子(おのこ)から女の子(めのこ)へ、そして遊女へ。 果たして若彦は元の身体に戻ることが出来るのだろうか――。
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