

前传

#66
大都会を発った直通電車が速度を落とす。 光と緑と潮風とに彩られた平野に、一つの都市があった。 その中心となるのは、私立汐美学園。 学力優秀な者だけでなく、分野を問わず一芸に秀でた者までもが集う学園だ。 輝く星のごとき才能は、数えること約5万。 自由と希望を身に纏い、今日も学生たちは闊歩する。 広大な学域にそびえる、図書館の最奥。 静寂に支配されるべき閲覧室からは、しかし、弾んだ声があふれ出る。 部屋を占拠するのは6人の学生たち。 先日まで、縁もゆかりもなかった彼らが、何故この場に集まっているのか―― その密やかな理由は、まだ誰も知らない。 笑顔の中心で本のページを繰る、彼でさえも。

#67
巨大な汐美学園にあって、2人しか部員がいない “ネコ写真部”。 ひたすらネコの写真を撮り続けるという部活動だ。 そこで主人公の桐島慶と幼なじみの土岐のぞみだけが活動しているところに、ふたりの田舎から妹分である藤宮朔夜がやってきた。 「慶ちゃん、泊めて!」 ──なんでも、家出同然に家を飛び出してきたのだという。 朔夜の実家は古い旅館を営んでおり、街を出ることに反対されているのを振り切って、汐美学園に入学してきたのだった。 そんな朔夜もネコ写真部に入ったところで、学内一ネコが集う通称 “ネコ広場” に新校舎建設との報が。 三人の生活はどうなるのか、そしてネコ写真部は……。







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